眼科ではほかの科に比べて検査の種類が多いという特徴がある。通常は視能訓練士が常勤して視力検査や眼圧検査、視野検査等の検査を行うが、視能訓練士のいない眼科では、これらの検査を看護師が行う。また患者にメガネやコンタクトレンズを合わせるのも看護師の仕事だ。そのため眼科で働く看護師は、検査の機械の使い方や検査方法などの専門的知識が身につくというメリットがある。さらにレーシック手術や白内障の手術など手術設備のある病院では、看護師は手術の介助や手術器具の消毒・滅菌等のメンテナンス、患者への説明などを行う。したがって目に関する詳しい知識だけでなく、手術の介助方法等、他の科では得られない専門性が身につくのだ。専門性を高めたい看護師には眼科での仕事はうってつけといえる。
また眼科では入院設備のあるところは少ないため、基本的に夜勤がない。夜勤がなければ肉体的・精神的な負担が軽減されるとともに、規則的な生活ができ、生活リズムが狂うことが少ない。小さい子供がいる場合など、仕事と育児、家事の両立がしやすくなるのもメリットの一つだ。さらに眼科では重篤な患者がほとんどおらず、診察中に容体が急変するなどといったことも起こりにくい。そのため重症の患者の多い科に比べると、格段に心理的なプレッシャーが少ないと言える。患者を支えるなどといった身体的介助もないので、肉体的疲労も少ない。また眼科では、患者への点眼や検査を行うことにより患者と接する時間が多いという特徴がある。これらの時間に患者とのコミュニケーションをとったり、手術後、目が快復したときなどに患者からお礼を言われたりすることが、看護師のやりがいにつながることが多い。